市民・県民をはじめ多くの人が衝撃と悲しみに包まれた首里城火災から、10月31日で2年が経とうとしています。今月号では、現在の首里城の状況や復興計画、過去に首里城を救った男と言われる鎌倉芳太郎氏の功績を紹介します。
◆現在の首里城
火災に見舞われた首里城は、現在「見せる復興」に取り組んでいます。その一つに、世界遺産に登録され、国指定史跡でもある正殿の基壇遺構の公開があります。正殿の基壇(建物の土台)の石積みは、首里城跡を象徴する重要な遺構です。火災後、焼け落ちた正殿の部材や灰などを撤去し、遺構を保護する処置を講じていて、来場者が見学することができるようになっています。
また、正殿の大きな特徴の一つでもある大龍柱は、火災をくぐり抜け、奇跡的にその威容を残しています。しかし、細かい損傷が多く確認されたため、修復作業が行われました。現在は、修復後の龍柱を展示公開しています。
◆今後の県の復興計画
県は令和2年4月に「首里城復興基本方針」を、令和3年3月に「首里城復興基本計画」を発表しました。この基本方針と基本計画では、次の8つの基本施策とその着実な推進について示されています。
◇基本施策1
正殿等の早期復元と復元過程の公開
◇基本施策2
火災の原因究明及び防火設備・施設管理体制の強化
◇基本施策3
首里城公園のさらなる魅力の向上
◇基本施策4
文化財等の保全、復元、収集
◇基本施策5
伝統技術の活用と継承
◇基本施策6
「新・首里杜構想」による歴史まちづくりの推進
◇基本施策7
歴史の継承と資産としての活用
◇基本施策8
琉球文化のルネサンス